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| ENRESTAURANT
OCT, 2023
CLIANT : SUSHIDOKORO YAMADA
CONSTRUCTOR : TOKKENKAIHATSU
LIGHTING : MODULEX
PHOTOGRAPHY : NORIHITO YAMAUCHI
伝統と現代が交差する、静謐なる物語の継承。
銀座七丁目の一角で親しまれてきた鮨店が、同じく銀座七丁目に新たに誕生した複合商業施設グランベルスクエアの3階へと移転。これまで培われてきた格式と親密な空気感を受け継ぎながら、より洗練された空間体験へと昇華させた。ファサードには、日本の伝統建築に見られる蔵の漆喰をモチーフとした繊細なテクスチャーを採用。凛とした佇まいの中に、訪れる人々をやわらかく迎え入れる包容力を漂わせ、暖簾をくぐると前室が静かに迎え入れる。壁面には大将が心を寄せる掛け軸を設え、これから始まる物語への期待感を静かに高めている。店内はL字型のカウンター10席を中心に構成。天板・付台・俎板には上質な檜の無垢材を使用し、床柱には香り高い香節の丸太材を用い、側面には木目調の漆塗風の仕上げを施すことで、自然素材の風合いと品格を併せ持つ空間を創出。カウンター正面には神棚を設置し、背面には洋服やバッグ、キャリーケースを収められる荷置き場を備え、訪れる人々に快適さと安心感をもたらす設計とした。書院造の茶室の精神を取り入れた空間は、鮨という文化の本質と呼応し、無駄を削ぎ落とした静謐な空気の中に、職人の技と心を浮かび上がらせている。提供されるのは、大将が厳選し熟成を施した15貫の握りのみ。虚飾を排し、素材と所作、空間のすべてが一体となって、物語を紡ぐ場となることを目指した。